48社51人が売れるトマトを回答
売れ筋のトマトを探ろうと、全国の小売店と卸売会社の青果担当者にアンケートを実施したところ回答した青果担当者ら51人のうち6割以上がミニトマトを売れ筋商品として挙げた=グラフ1参照。栽培の歴史が長い大玉に比べて、1980年代に登場したミニトマト。「今はミニの方が引き合いは強く、取り扱いは半々くらい。地方は大玉、都会はミニの印象」(四国地方の卸)とミニトマトの人気が高まっている。
アンケートは146社に依頼。売れ筋トマトの種類や量目、荷姿などについて小売店29社、卸売会社19社の青果担当者らが答えた。トマトの種類では、無回答の3人を除き、48人中32人(小売り21人、卸11人)がミニトマトを選んだ=グラフ2参照。
農水省によると2022年産夏秋トマトの作付面積は全国で7380㌶。このうちミニトマトは1530㌶とおよそ2割だった。全国の夏秋トマトの生産部会を対象に実施した部会アンケートでも回答した21部会の作付面積の合計は980.7㌶で、ミニトマトは183.2㌶と2割以下だった=グラフ3参照。ただ一部産地では、ミニトマトの比率を高める動きもある。
ミニトマトのニーズが高いことがうかがえるが、無回答の中には「50代以上は大玉、若い世代はミニを選ぶ傾向にある」(近畿地方の小売店)の意見もあった。大玉に比べて、比較的新しいミニトマトは、カットせずに弁当などにも入れられ、小さな子どもでも手で持って食べられるなど、子育て世代を中心に浸透してきたとみられる。
「高糖度」業態別で差
複数回答で聞いた求める品質では、無回答の1人を除き回答した50人のうち36人(小売り28人、卸8人)が高糖度を挙げた。内訳では小売り回答者32人中28人とおよそ9割と最も多かった。一方、卸売会社は回答者18人中8人とおよそ4割が高糖度を選んだ。