第16回 全日本ホルスタイン共進会 特集
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開催地事務局から

2025.09.25
北海道ホルスタイン農業協同組合 代表理事組合長 山口哲朗

持続可能な酪農の姿を示す

 

 10年ぶりとなるホル全共開催に向け、全国から優れた出品牛を迎えるにあたり、開催地事務局として心から歓迎します。

 北海道大会では、大会運営費を支える出品負担金を低く設定することで参加の機会を広げました。コロナ禍を境に酪農を取り巻く環境は激変しており、かつてのように大規模開催は難しくなっています。できるだけコンパクトで魅力的な大会の運営を心がけ、全共の持続的な開催を目指したいと考えています。今大会が将来の大会運営の試金石になると、使命を感じています。

 輸入飼料が高騰する近年は、粗飼料を多く食べ、長命で連産性に富む牛の評価が高まっています。2年前の全道共進会を審査した米国のパット・コンロイ氏は「機能的強健性」という言葉で表現していました。長く酪農経営と乳牛改良に取り組んできた私は、全共とは出品する酪農家の技術披露の場にとどまらず、全国から多くの出品者が集まり、切磋琢磨を通じて得られた有益な情報や経験を地元に持ち帰り仲間と共有することで、日本酪農全体の発展につながると信じています。

 また、今大会では全共初の試みとして、高校生部門でも最高位牛を決めます。将来の日本酪農を担う学生の熱意をさらに引き出すことで、次世代対策につなげます。併催イベントでも、若き酪農家に向けた実践セミナーや仲間づくりを促す催しを用意しました。

 全国から一人でも多くの方に全共会場へ足を運んでいただき、多くの仲間と語らい、乳牛改良の成果を実感していただきたいです。参加が難しい方には、共進会場の様子を動画配信する予定です。

 最後に、今年7月にランピースキン病が家畜伝染病予防法の疾病に指定されたことを受け、農水省および道の担当部署のご協力を得て、本大会の衛生対策要領をこれに対応したものに改正することができました。改めて関係各所の皆さまには深く感謝を申し上げます。



プロフィル
 やまぐち・てつろう
 北海道・JAえんゆう専務を歴任し、2016年から現職とホル全共の主催団体である日本ホルスタイン登録協会の副会長を務める。