第16回 全日本ホルスタイン共進会 特集
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乳牛改良の頂点へ400頭集結

2025.09.25

 全日本ホルスタイン共進会(ホル全共)は、「乳牛の美人コンテスト」「乳牛のオリンピック」と呼ばれ、都道府県を代表する優れた牛と生産者が一堂に会し、乳牛の理想の体型に向けた乳牛改良の成果を競うイベントだ。主催は日本ホルスタイン登録協会で、開催地事務局は北海道ホルスタイン農協。第1回は1951年に神奈川県で昭和天皇も臨席されて開かれた。おおむね5年ごとに、過去13回にわたり酪農主要県で開かれ、全国から多くの酪農家や酪農関係者が集まり、技術研鑽や親睦交流の場として注目を集めてきた。第15回は宮崎県で開催予定だったが、コロナ禍で中止になったため、直近の開催は10年前の北海道大会となる。

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 審査は月齢や未経産牛・経産牛、種別で区分された20の部門に分かれて行われる。各部門の成績上位牛によるいわば決戦審査もあり、最も優れた牛には「最高位賞(グランドチャンピオン)」の栄誉が与えられる。

 今大会はホルスタイン種368頭、ジャージー種32頭、計400頭の出場が見込まれている。都府県は都府県域の予選で出場牛を決定するが、北海道では今回は道内10地区の共進会を予選会と位置づけ、それぞれの共進会の上位の牛が全共に出場できる方式とした。これにより予選のスリム化と、全道各地区からまんべんなく出品者を輩出でき参加意欲を高めるメリットがある。

 今大会では、20頭の高校特別枠を設け、全国の高校生も出品牛の月齢などにあわせて各部門で参加する。高校枠の最高位牛を決めるのは全共では初めてであり、学生の盛り上がりが期待される。

 国内最大の酪農イベントだけに、併催イベントも充実している。90社以上が出展する酪農資材器具展・技術交流会や、高校生を対象としたリードマンコンテストなどの酪農後継者育成プログラム、乳牛を即売するゴールデンナショナルセールなどが開かれる。今大会は共進会に特化し、生産者や酪農・畜産関係者にとって、より充実した「酪農の祭典」を目指している。