茶の病害
高温化に伴い発生増える

2025.02.19
農研機構 植物防疫研究部門 果樹茶病害虫防除研究領域 果樹茶生物的防除グループ グループ長補佐 山田 憲吾

 近年の高温化により、茶の病害の発生期間が長期化する傾向にある。特に一番茶葉における炭疽(たんそ)病の発生増加が顕著である。早期から病害が発生すると茶園内の伝染源量が高まって、その後の茶期でのさらなる発生増加につながるため注意が必要である。ここでは主要病害の発生生態と防除対策のポイントについて解説する。

炭疽病

 わが国で最も多く発生が見られる最重要病害である。開葉直後の若い葉に感染し、発病葉は激しく落葉する。防除は開葉期に行う。摘採(てきさい)しない茶期や多発が予想されるときは約1~2週間後にもう一度薬剤を散布する。防除薬剤の多くは保護剤で、病原菌の感染前に散布する必要があるため、散布が遅れないようにする。DMI剤は病原菌の感染後の治療効果が高く、遅めの散布が有効である。ただし、発病後の治癒効果はないので防除は発病前に行う。

炭疽病

輪斑病

 摘採などによる傷口から感染し、葉では同心円状の輪紋がある大型病斑、茎では黒褐色の壊死病斑を形成する。防除は摘採・整枝の直後に行う。時間の経過とともに防除効果が低下するため、摘採直後に防除ができないときは浅く整枝して病原菌の侵入部分を刈り落しとてから薬剤を散布する。

輪斑病

新梢枯死症

 輪斑病が新梢(しんしょう)基部の包葉離脱痕などに発生することによって起こる症状で、上部への水分供給が絶たれて芽全体が青枯れ状態となり、やがて枯死する。防除適期は炭疽病と同じであるため、両方に効果のある薬剤を選択することで同時防除できる。

赤焼病

 秋~春季に発生し、越冬葉や茎に壊死病斑を形成する。特に幼木で発生が多い。最盛期は早春季であるが、秋季から発生が始まると翌春の発生の伝染源となって多発を招く。罹病(りびょう)葉は激しく落葉し、一番茶が減収する。防除時期は通常10月と2~3月であるが、それ以外の時期でも初発があったらすぐに防除を行う。冬期のマシン油散布によって発生が大きく増加するため、害虫防除にマシン油を使用するときは事前に銅剤を散布しておく。