第3回全国いちご選手権
自慢のおいしさ競う

2025.02.26

ご当地いちごが存在感 過去最多の375点出品

 日本野菜ソムリエ協会は2月上旬、全国の生産者が出品する自慢の春いちごのおいしさを競う「全国いちご選手権」を東京・池袋の学校法人後藤学園武蔵野調理師専門学校で開いた。青果に詳しい野菜ソムリエたちが審査し、最高金賞には埼玉県本庄市・久米原農園八代目久米原美幸さんの「あまりん~極~」が輝いた。今回は昨年の2倍以上で過去最多の375品の出品があり、各地で続々登場する「ご当地」いちごの存在感を印象づけた。

真剣にイチゴの食味を確かめる野菜ソムリエたち

 最高金賞の「あまりん~極~」は、埼玉県オリジナル品種の「あまりん」を厳しく選び抜いた一箱。抜群の甘さはもちろん、酸味とのバランスも高く評価された。同農園は「誰が食べても記憶に残り、『もう一度食べたい』と思ってもらえるよう努力している」と説明している。

最高金賞の「あまりん~極~」(日本野菜ソムリエ協会提供)
トレーに並ぶ出品されたイチゴ

 最高金賞に続く金賞は4点。埼玉県深谷市の中山章さんの「あまりん」、同県本庄市の高橋農園の「あまりん」、埼玉県加須市のJAほくさい北川辺いちご部の「北川辺いちご部の『べにたま』」、三重県津市の合同会社いせのうとの「【あまつおとめ】よつぼし」となった。
 その他の入賞者は以下の通り。

銀賞

ハイレベルの戦い 「推し」見つけよう

 第3回を含む過去3回の全国いちご選手権全てで評価員を務め、野菜ソムリエ上級プロの資格を持つ高崎順子さん(54)に、選手権を通して見えるイチゴの情勢について聞いた。

野菜ソムリエ上級プロに聞く いちごソムリエ高崎順子さん

 今回は全体的にレベルが非常に高かった。ハイシーズンだったこともあり、東京・大阪会場併せ約400点近い多数のエントリーがあった。へた際まで色づき、熟度、ジューシーさとも甲乙つけがたいものばかり。審査は甘さや酸味、香り、食感などを総合して得点で評価していくが、自分の視点としては、甘さと酸味のバランス、香りと後味など、濃厚なイチゴらしさが味わえるかどうか見た。
 たくさんのイチゴを審査していると、自分の好みの「推し」が見つかるのも楽しみの一つ。どんな生産者が作っているのか、どんな圃場(ほじょう)なのか、農園はどんな町にあるのか──。興味がわいて、実際に訪ねてみたくなる。
 こうした「推し」を一般の消費者にも見つけてもらいたい。全国にこれだけレベルの高いイチゴがあるのだから。取り寄せて食べるのと、地元を訪ねて食べるのとでは味わいも違う。作った生産者だけでなく、お客さんで地元もにぎわって元気になる。そんな循環が生まれればいいと思う。
 個人農園の高級イチゴだけでなく、生産部会などで作るイチゴもレベルが高まっており、それぞれファンがついているはずだ。子育て世代が普段から親子で楽しめる価格帯のイチゴも本当に大切で、イチゴ全体にもスポットが当たってほしい。

プロフィル たかさき・じゅんこ

野菜ソムリエ上級プロ、果物ソムリエ、いちごソムリエ。横浜市在住。大学卒業後、食品会社に勤め、野菜や食育に関心を持ち野菜ソムリエ資格を取得。長年、青果物選手権の評価員を務め、積極的に全国の圃場視察を行う。