森林を活用して自然と触れ合う教育の場を提供
地域の自然を守るたいせつさを伝えています
JA共済連 青森は、豊かな自然環境を活かし、「JA共済きずなの青い森プロジェクト」に取り組んでいます。
環境保全と食農教育を組み合わせ、森林が地域の暮らしや農業にもたらす恩恵を学ぶとともに、地域住民同士がきずなを深める交流の場を提供しています。
伐採の見学や薪割りなど森林を教育の場として活用
青森県北部の海沿いに位置する通称・弁慶内地区。このエリアに広がる東京ドーム44個分の森林が「JA共済きずなの青い森プロジェクト」の舞台です。森林組合あおもりの協力を得て、森林を教育の場として活用する取り組みを2017年度から行っています。
今日は地域の小学生を対象とした体験会の実施日。会場の森林に集まった子どもたちは、森林組合員による伐採や枝打ちを見学したり、薪割りに挑戦したりと、普段はできない体験に大興奮です。
「薪割りって大変なんだね」「やったー、うまく割れた!」青空のもと、子どもたちの楽しそうな声が響き渡ります。
体を動かしたあとは、青森県の食材を使ったバーベキューを開催。地元産の野菜や肉、県産米のおにぎりが提供され、子どもたちは「おにぎり大好き!」「玉ねぎもおいしいね」と笑顔を見せました。
楽しみながら学べる複数のプログラムを実施
JA共済連 青森が本プロジェクトを立ち上げたのは、「豊かな自然環境に恵まれながら、地域の人が森林について知る機会が少ない」という課題意識がきっかけでした。プロジェクトを運営する地域貢献課の須藤巧課長は、「森林は防災や水の供給など多くの機能を持ち、人々の生活や農業を守る上で重要な役割を果たします。自然のたいせつさを学ぶ場を提供することは、地域の安全な暮らしや未来の農業を支えることにつながると考えました」と活動の意義を語ります。
プロジェクトは年3回実施され、小学生やJA青森の女性部員、町役場職員などを対象に開催しています。内容は伐採作業の見学や植樹もしくは薪割り体験などを行う「森林プログラム」と、木材を使った工作を体験する「木工クラフトプログラム」に加え、食育クイズやバーベキューを楽しむ「食育プログラム」で構成され、食や農業への理解を深める場にもなっています。
貴重な体験ができる場として地域住民の間に定着
プロジェクトも7年目を迎え、今ではすっかり地域に浸透。参加者を募ると、毎回定員の約40名を上回る応募が集まります。「お姉ちゃんが参加して楽しみながら勉強できたと聞いたので、自分も来てみたいと思った」と話す小学生がいるなど、子どもたちの間でも夏休みの恒例行事として定着しています。引率の教師からは「今の子どもたちは自然と触れ合うことが少ないので、貴重な体験ができてありがたく思いますし、自然豊かな地域の良さを学べるいい機会になりました」との声が聞かれました。
活動の趣旨に共感し、開始当初からプロジェクトに協力する森林組合あおもりの船橋繁幸参事は、「森林から流れ出る豊富な水が田畑を潤し、作物を育てる。森林と農業は密接な関係にあります。ともに第一次産業を担う団体として、JA共済連と一体となり、地域の自然環境を守る活動を続けていきたい」と話します。
これからもJA共済は地域の課題に目を向け、豊かで安全な暮らしの実現や農業の発展に貢献できるよう取り組んでいきます。
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地域住民が参加できる地域貢献活動を模索する中、他県で行われていた植樹活動に着目。地域住民が自然と触れ合う機会が少ないという課題を認識していたことから、森林の多い環境を活かし、植樹などの環境保全活動の検討を始めました。
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植樹に適した森林が見つかり、管理団体である森林組合に協力を依頼。賛同を得て会場となる森林の整備を進め、2017年より「JA共済きずなの青い森プロジェクト」として活動を始めました。
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開始以来、年3回の活動を実施。地域住民や小学生の間で毎年の恒例行事として定着し、楽しみながら自然のたいせつさや地元の食材について学べる場として、地域の人たちに喜ばれています。