かわいい・映える、集客効果絶大 ヨコハマ ストロベリーフェスティバル2023

2023.02.09

 果物の中でも特に人気の高いイチゴ。旬を迎える冬から春は、イチゴを楽しむイベントが飲食店を中心に各地で開かれ、多くの人でにぎわう。横浜市で開催10周年を迎えた「ヨコハマ ストロベリーフェスティバル2023」。仕掛け人と出店者にイチゴの魅力を聞いた。

平日にもかかわらず会場には多くの客が訪れた(横浜市)

かわいい・映える 女性にアピール

 2月3日に始まった「ヨコハマ ストロベリーフェスティバル2023」は、横浜赤レンガ倉庫で開かれる定番のイベントだ。イチゴを使ったスイーツが一堂に集まるイベントとして2013年に開始。10周年を迎えた今回は、過去最多の28店が出店し、26日までに約15万人の来場を見込む。
 「かわいく、写真で映えるイチゴは、SNSなどで発信力のある女性をターゲットに集客できる」と話すのは、イベント仕掛け人の一人、横浜赤レンガイベント事業部の遊佐信之介氏だ。同会場で開く催しのモットーに、四季を大切にしていることを挙げ、イチゴは春をイメージしやすく、季節感を演出しやすいと数多くの果物からイチゴを選んだ。
 平日でも想定以上の来場者が訪れる。友人同士や子ども連れ、イチゴ模様のかばん、洋服を身に着けたコアなファンも多く、幅広い年代の女性にイチゴファンがいることを実感したという。

「かわいい、映える果物として
イチゴは最適」と話す遊佐氏(横浜市で)

多様な品種、新規客獲得に有利

 品種改良が進み、新品種が次々に誕生しているイチゴ。色だけでも代表的な鮮やかな赤から黒に近い赤、白色などさまざまで、飲み物から焼き菓子、和菓子など幅広いスイーツに合うのも魅力の一つ。
 28店が提供するメニューはパフェ、ケーキ、マカロンなどそれぞれ異なり、各店で購入した複数のスイーツを楽しむ来場者の姿が見られた。
 東京・浅草に本店を構える甘味専門店の梅園は、「とちあいか」や「スカイベリー」を使った大福などを販売。大福は1日平均1000個の売り上げを見込む。
 同社の羽山健雄営業部長は、多様な品種の登場について「酸味、大きさ、香りなどが異なり、菓子に合うものを選択できる。客は選べる楽しさがある」と評価する。フェスティバルは初回から参加。来場者が年々増えているのを感じるという。「子どもから年配者まで嫌いな人がいない。切らなくても映える色と形、使いやすい大きさでイチゴブームはこれからも期待できる」(同)と話す。
 17~26日まで10周年記念として、通常メニューに加えて各店会場限定のイチゴメニューを提供し、イベントを盛り上げる。スーパーなどで売っていない品種ほど注目度が高く、遊佐氏は「各地で品種が増え、味や見た目の違いをさらに楽しめるようになればイチゴを軸にした新しいイベントを開催できる可能性がある」と期待する。
 地球温暖化による気候変動や近年の資材高騰の影響で栽培が年々困難になっていることにも触れ、「大変な状況にありながらもおいしいイチゴを生産していただき、生産者に感謝している」(同)とエールを送る。

会場には「スカイベリー」を使った大福や「あまおう」のフルーツサンド、「とちおとめ」のパフェなどさまざまな品種のスイーツが並ぶ(横浜市で)