JA全農の取り組み

2025.02.19

園芸向け新規殺虫剤「フィールドマスト®フロアブル」チョウ目、キスジノミハムシ、薬剤抵抗性コナガなどに卓効

JA全農 耕種資材部 農薬原体・開発課

 JA全農は2024年、新規園芸用殺虫剤「フィールドマスト®フロアブル」=写真=を開発し、登録を取得した。25年春にクミアイ化学工業および日本農薬の2社から上市予定である。ジクロロメゾチアズを有効成分とし、園芸分野では初めての作用機作(有効成分が対象となる生物体内で効果を発揮する原理のこと)を有する。本剤はキャベツ、ハクサイ、ブロッコリーなどのアブラナ科作物のコナガや、アオムシ、ハスモンヨトウ、ハイマダラノメイガなどチョウ目害虫に卓効を示す。またダイコン、カブなどで問題となるコウチュウ目のキスジノミハムシ、ハチ目のカブラハバチに対しても高い効果を有することが確認されている。特にこれまでにない作用機作を有することから、既存剤に抵抗性を示すコナガなどにも問題なく使用できる。

新規の作用性と高い効果

 本剤の有効成分であるジクロロメゾチアズは、園芸用殺虫剤として初めての作用機作(IRAC分類:4E)に分類された。ジクロロメゾチアズを摂取した害虫は、まひ症状を引き起こし、速やかに食害が止まる。新規の作用性であることから、既存の殺虫剤に抵抗性のあるコナガなどの難防除害虫に対しても卓効を示し(図1)、ローテーション防除薬剤の一つとして使用することで、既存薬剤に対する抵抗性発達を遅らせることができる。農薬の公的試験である新農薬実用化試験では、多数の試験地において「実用性が高い」もしくは「実用性がある」と判定されており、全国各地で有効な事例が認められた(図2)。

【図1】既存剤抵抗性コナガに対する効果
【図2】新農薬実用化試験の総合判定まとめ

ミツバチ・天敵などに高い安全性

 本剤はミツバチや哺乳類、水生動物に対する安全性が高いことが確認されている。
 さらに、スワルスキーカブリダニをはじめとする各種天敵に対する影響も小さいことが確認されている。

幅広い登録作物

 本剤は結球アブラナ科葉菜類、はなやさい類、非結球アブラナ科葉菜類、レタス類の登録を有する。
 マイナー作物を含めた幅広い野菜に使用できる。例えば、近年注目されているヨーロッパ野菜は日本で栽培する場合、使用できる農薬が少ないことが課題の一つであったが、本剤がその課題解決の一助となることが期待される。

 登録内容や使用方法については下記URLまたはお問い合わせ先まで。

URL https://www.zennoh.or.jp/operation/nouyaku/fieldmast/
問い合わせ先
▶クミアイ化学工業株式会社:03-3822-5036
▶日本農薬株式会社:0570-09-1177