ドローン防除面積の拡大と登録農薬数の推移

2023.02.20
農林水産省 消費・安全局 植物防疫課

省力化へ登録拡大推進

農水省 産地ニーズ伝達や試験支援

 近年、ドローンを使用した農薬の空中散布は、水田地帯のみならず、園芸作物の生産現場や傾斜の多い中山間地でも、省力効果の大きい技術としてニーズが高まっている。

散布面積・登録薬剤大幅に増加

 農林水産省では、2019年3月、農業用ドローンや利用技術の普及を加速化させることを目的に策定した「農業用ドローン普及計画」において22年度末までの4年間にドローンによる農薬散布面積を100万㌶に拡大すること、新たなドローンに適した農薬を200剤増加させる目標を掲げた。本目標の達成に向けて、産地ニーズを農薬メーカーに伝達することによるマッチングや、地域における農薬の登録申請に係る試験実施への支援などを通じて、ドローンに適した農薬の登録拡大を推進し、ドローンによる散布面積の拡大を促進しているところである。

 ドローンによる散布面積は、16年度の684㌶から20年度の11万9500㌶に拡大していると推測され、ドローンに適した農薬は「農業用ドローン普及計画」策定時から、511剤(23年1月末現在)が新たに登録された。

果樹類や野菜類で適用拡大を推進

 登録拡大について産地からの期待の大きい、果樹類や野菜類について、農薬登録の適用範囲の拡大を推進していく。

 一方、ドローンによる農薬散布の場合であっても、機体・散布装置の機能や性能を正しく理解し、農薬ラベルに記載される希釈倍数や使用回数などの使用方法を守る必要がある。圃場(ほじょう)周辺への事前周知や、周辺の作物などに農薬が飛散しないように細心の注意を払うなど、農薬を安全かつ適正に使用することが求められることは地上における農薬散布と同様である。

 現時点でのドローンで使用可能な農薬については、定期的に登録情報をホームページ

https://www.maff.go.jp/j/kanbo/smart/nouyaku.html)に公開しているので、参照いただきたい。