和食は世界遺産ではない!
無形文化遺産ってなに?

2023.07.19

建物(たてもの)のように形(かたち)のあるものではなく、ながい間(あいだ)伝(つた)えられてきた芸能(げいのう)やまつり、工芸技術(こうげいぎじゅつ)といった「かたちのないもの」のことを「無形文化遺産(むけいぶんかいさん)」といいます。

ユネスコ(国連教育科学文化機関 UNESCO)が保護(ほご)するべきものをリストに登録し、こうした貴重な「かたちのないもの」をまもる活動をしています。

日本では歌舞伎(かぶき)や和食(わしょく)が、海外ではフランスの美食術(びしょくじゅつ)やメキシコの伝統料理、スペイン、ギリシャ、イタリア、モロッコの地中海料理、トルコのケシケキの伝統など様々な国の伝統や技術が無形文化遺産に登録されています。

世界遺産とのちがい

せかい中の人たちの交流が活発になり、世の中が変化したことで「かたちのないもの」が衰退(すいたい)したり消滅(しょうめつ)したりする可能性があることから,無形文化遺産の保護を目的としてユネスコが世界的に共通の基準(きじゅん)で登録に関する基準が定めています。「世界遺産」もユネスコが事務局を務めているため、混同しやすいですが、世界遺産は「有形(かたちのある)」のものを対象としていて、無形文化遺産は「無形(かたちのないもの)」のものを対象としています。

世界に認められた文化「和食」

和食は日本固有の食文化で、

①おおくの新鮮(しんせん)な食材(しょくざい)のもち味(あじ)をいかす

②健康的な食生活を支えるえいようバランス

③しぜんの美しさと季節をあらわす

④年中行事(一年のうちの特定の日におこなわれる行事。おしょうがつ、せつぶん、ひなまつり、たなばたなど)との深い関係 

の4つの特徴があるとされ、2013(平成25年)に無形文化遺産に登録されました。ほかにも世界中の食文化や伝統芸能が無形文化遺産として登録されています。