畑地・樹園地の雑草防除
特性理解し除草効果的に

2025.02.19
公益財団法人 日本植物調節剤研究協会 技術部 技術第一課 穂坂 尚美

 畑地では、耕起整地後に作物を播種(はしゅ)や定植するため、土中の種子から発生した雑草と生育初期の作物が競合しやすい。そのため土壌処理剤を使用した初期防除が重要であり、併せて中耕除草や茎葉処理剤を使用する方法が一般的である。

土壌処理剤

 土壌処理剤は、主に作物の播種後出芽前や定植前に散布する。砕土・整地・覆土を丁寧に行い、均一に散布することで土壌表面に処理層を形成し、一定の期間、雑草の発生を抑える。薬剤の有効成分は水とともに雑草に吸収されるので、土壌が乾燥した状態が続くと、除草効果が低下する場合が多い。また、土壌の乾燥により雑草の発生時期が遅れることも薬効の低下につながる。一方、散布直後の強雨では、土壌表面の有効成分が土壌中を移動して除草効果が低下したり、作物に薬害を起こすなどのリスクが生じる。土壌処理剤は環境条件に影響を受けやすいので、散布前後の天候に注意する。

茎葉処理剤

 茎葉処理剤には、特定の種類の雑草を枯らす選択性茎葉処理剤と、薬液が付着した植物全般に作用する非選択性茎葉処理剤がある。選択性茎葉処理剤は、作物の上から圃場(ほじょう)全面に散布できるが、防除できる雑草の種類や大きさが限られるため、使用場面や時期には注意する。また、適用作物についてもよく確認して使用する。
 非選択性茎葉処理剤は、薬液が作物に付着すると強い薬害を生じるため、基本的に耕起前、作物の播種または出芽前、作物の生育中の畝間、圃場内周縁部など、作物に直接かからない場面で使用する。他方、作物の株元のみにかかるように散布する株間散布もあり、大豆畑のアサガオ防除などに利用されている。作物の生育中に散布する場合は、専用ノズルや飛散防止カバーを用いて飛散しないように散布する。

樹園地の雑草対策

 樹園地では、永年作物の果樹は雑草より大きいため、わずかな雑草で直ちに害が生じることはないが、果樹の発育や土壌保全の観点から雑草を適切に防除する必要がある。例えば、雑草などの下草で土壌を被覆して樹園を管理する草生法には、土壌の流亡防止などの利点がある。一方で、果樹と雑草の間では、春の萌芽や新梢(しんしょう)が伸びる時期には肥料の、梅雨明け後の干ばつ期には水分の競合が現れやすい。特に根域の少ない幼木期には競合の影響が強いため、果樹の樹冠下だけでも下草を生やさない清耕法で管理する必要がある。

清耕栽培のカンキツ(12月撮影)