福岡県・JAたがわ白ネギ部会
JAたがわ白ネギ部会(松井清司部会長)は、福岡県内で白ネギの産地化に挑戦している。同県内では青ネギの部会はあるものの、白ネギの部会は珍しい。産地形成を図るため、①機械化による効率的な生産体制の構築②品質向上による市場競争の強化③水田活用での栽培技術の研究――で、生産者が一体となり知恵を出し合う場としてJA部会を立ち上げ、大規模栽培による農家所得の安定を目指している。


需要捉え部会設立
背景には福岡市場での白ネギ需要の増加がある。近年は鍋料理などで白ネギの需要が増え、従来7割を占めていた青ネギが逆転しつつある。現在、白ネギは大分県産や、中国からの輸入物で対応しており、地元・福岡産の割合は2%に満たない。輸送コストや円安を踏まえ、市場からは近隣産地化が期待されている。
これを受け、2025年1月末、JAたがわ白ネギ部会が設立。設立総会には団体を含め13の部会員が名を連ねた。部会長に選任された松井清司さんは「市場や実需者、消費者から『田川の白ネギは素晴らしい』と信頼されるよう、生産者が一丸となり栽培管理を徹底し、農家所得向上を目指そう」と意気込んだ。
高収益作物に白ネギ導入
2月中旬から3軒が約60aを作付け、日量30~50ケース(1ケース3kg)で出荷をスタート。現在は4軒が約2haで取り組む。そのうちの一人、元JA職員で部会員の山本明広さんは、1ha弱で栽培する。
山本さんは白ネギ導入の経緯をこう説明する。部会員である団体の伊方営農組合は、23年に一般社団法人化により集積面積100ha規模の農場となった。
もともと同組合管内は米・麦・大豆の産地だったが、産業化のため高収益作物を模索。松井部会長やJAなどが鹿児島で白ネギの成功事例を視察し、導入を決断したものだ。
市場からは「品質も良く、包装デザインも高級感があり、この品質を保って今後も出荷してほしい」と評価されている。
この冬からは周年出荷体制の確立を目指すとともに、複数の品種を試験栽培するなど産地に適した栽培方法を模索している。山本さんは12月初旬から日量30ケース出荷しており、1月からは伊方営農組合が加わり、日量100ケースとなる見込みだ。当面、10a当たり収量3000kgの達成を目指す。
機械設備の導入も進め、今後は輪作を活用しながら、将来的には20ha規模の産地化を視野に入れる。

JAたがわは部会設立のメリットとして、普及センターなどと連携しJAからの指導ができる点を挙げる。また、不慮の事態が起きた際のセーフティーネットとして生産者らを支援できるとする。
「まずはやってみる」という姿勢で始まった白ネギ栽培。市場やJAとの連携を強化し、地域農業の新たな柱としての成長が期待されている。
