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「イチゴのハダニ防除~灌注処理の有用性」座談会③
定植前からうまく抑える

2017年07月25日


スピロテトラマト水和剤の活用

司会 育苗期にスピロテトラマト水和剤を灌注処理してハダニを防ぐ方法に注目が高まっています。どんな利点がありますか。

柳田(福岡) 定植前にスピロテロラマト水和剤を苗灌注処理する方法は、散布むらがなく防除効果も高い。同剤は長期の残効とともに成分が新葉に移行する特徴があり、ハダニの防除上、理にかなっている。同剤は天敵への影響はあるものの、影響日数(45日)を確保すれば問題なく、農家も安心して使える剤だ。

関根(宮城) スピロテトラマト水和剤は効果が高く、当県でも使われている。小型の育苗ポットを使っている農家の一部で十分な効果が得られない例もあったが、悪い評判は聞いていない。当県の防除指針では本圃での散布ではなく、苗灌注で使うようにしている。

小林(栃木) 県内の普及担当に聞いたところ、現場では「かなり効果が長く続く」という感触を得ているようだ。

石川(愛知) 県内のイチゴの病害虫発生予察圃場で同剤を使っているところは多い。ただ中には十分な効果を得られない事例もあったため「使用するときは適切に処理を」と呼びかけている。薬剤感受性の低下が問題になっている中で効果の高い剤は貴重であり、有効に使えるように情報発信していきたい。同剤を灌注処理するコツは「しっかり丁寧に」ということだが、農家が理解しやすいマニュアルがあると良いのではないか。

丸山(バイエル) 灌注処理は殺菌剤で行うことが多いが、本剤の場合は薬液を育苗ポットにしっかり入れることが使い方のポイントだ。小さいポットなどで薬液がしっかり入らないと、効きが悪くなるので注意してほしい。事前にかん水していると薬液の入る余地がなくこぼれてしまうため、事前のかん水は控えてほしい。また下葉かきも丁寧にしておいた方が良い。

座談会全景

イチゴ苗へのスピロテトラマト水和剤の灌注処理

渡邊(香川) この剤は、うまく灌注することが長く効かせるポイントだ。現在、剤の特性を最大限発揮できる方法をメーカーと検討している。

丸山(バイエル) 地域によって育苗方法や使用する資材はさまざまで、ポットのサイズや間口によって灌注の際に薬液が入らないこともある。また処理後にかん水してしまうと成分が流出してしまうので、処理後のかん水は控えてほしい。

関根(宮城) 育苗土が高乾燥の状態で吸収させた場合、薬害の心配はないか?

丸山(バイエル) 現在までの使用事例でそうした報告はない。葉にもしっかりかけた方が、効果が安定することが分かっている。

渡邊(香川) 同剤とバンカーシート(天敵)を組み合わせて防除している農家に聞いたところ、「ハダニだけでなくホコリダニもいなくなった」という声があった。天敵のみの防除だと、天敵に影響のある殺虫剤が散布できず、またホコリダニに高い効果が期待できる天敵もなく、スピロテトラマト水和剤のホコリダニへの防除効果が確認できれば有益だ。

関根(宮城) 宮城県でもホコリダニが年々問題になっている。当県でも「スピロテトラマト水和剤を使ったところはホコリダニが出ない」との事例を聞いたことがある。

柳田(福岡) ホコリダニはイチゴ葉の先端の方へ行く性質があるので、新葉や新芽に移行する薬剤の作用特性を考えると、ホコリダニの生態に合っているのではないか。

丸山(バイエル) ところで各県ではどのタイミングでモベントを使うのがより効果的と考えているか?

渡邊(香川) 天敵を利用する場合は、定植前よりもう少し早い時期に使った方が良いと思われる。

柳田(福岡) 通常の定植前使用のほか、早期作型の場合では夜冷庫や冷蔵庫入庫前の使用も効果的である。ハダニは夜冷庫や冷蔵庫の中で増殖している。実際、夜冷庫への入庫前にスピロテトラマト水和剤を使ったケースでは、その後ハダニが抑えられた。

渡邊(香川) 確かに夜冷庫への出し入れでハダニが増えている。しかも苗を集約しているのでハダニも広がりやすい。適切な灌注量は「下から漏れない程度」だ。薬液がこぼれてしまうときちんと入っていない。かん水作業のような方法だと流れてしまう。ポットの下から流出させないことが大事だ。

石川(愛知) 適切な使用時期や使い方が学べるように、メーカーの協力で技術講習の機会を作ってもらえたらありがたい。

丸山(バイエル) 上手な使い方を紹介する資料を用意しているので周知したい。この剤の価値は、ハダニへの効果の高さにある。モベントでハダニの密度を下げつつ、気門封鎖剤や天敵を生かした防除体系で十分に防除できれば、翌年もハダニ密度を少なく抑えられる。モベントはIPM(総合的病害虫管理)のツールの一つ。他の物理的・生物的防除手段と組み合わせて長く使ってほしい。

まとめ

司会 最後に一言ずつお願いします。

関根(宮城) 当県では新たな技術としてUV-B電球形蛍光灯と反射材を併用した密度抑制の研究に取り組んでいる。こうした技術も実用化へ向け検討していきたい。

小林(栃木) イチゴは作期が長く、定植直前に防除しても何らかの形でハダニの本圃への持ち込みがある。本圃でも確実に防除できる技術を開発できたらと考えている。

石川(愛知) ハダニ防除は一つの薬剤、一つの防除方法に頼っていると、それが効かなくなった時に混乱してしまう。複数の技術を組み合わせて総合的に対応していきたい。

渡邊(香川) ハダニ防除は「一律にこれをやってください」と指導できる技術がなく、個別に指導・対応せざるを得ない状況にある。こうした中で、スピロテトラマト水和剤は一律に指導やアドバイスができる技術。大事にしていきたい剤だ。

柳田(福岡) 農家やJAから「ハダニ防除が楽になった」と言ってもらえるような技術を研究していきたい。また防除の関係者・関係機関が集まって対策を話し合うことが、立派な「総合的防除」になると考える。

丸山(バイエル) モベントをうまく使うことでハダニを効果的に抑えられる。またモベントはネオニコチノイド剤が対象とする害虫をほぼカバーしているので、植え付け時の粒剤散布は省略できる。薬剤コスト全体を考えてもモベントは優位性がある。上手に使うためのコツをより分かりやすい形で今後も発信していきたい。

司会 各県ごとに品種や育苗方法が異なり、育苗期の防除技術もそれぞれ課題は残りますが、うまく組み合わせて使えば確実にハダニ防除は成功できると思います。また各地の防除成果を互いに共有していくことも大事ではないでしょうか。本日はありがとうございました。

(座談会は6月29日に開催しました)

座談会全景

企画・制作:日本農業新聞 広告部

協賛:バイエル クロップサイエンス株式会社

いちごのハダニ類は灌注処理で防除ができます。灌注の使用適期と上手な使い方はこちら(モベントフロアブルのサイトへ)